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失われし者(The person who is lost)

 おじさん、おばさん、兄、父親、祖父母、みんなこの世を去ってしまった。現在の世界情勢とは、全く無関係な自然死と事故死だが、ありし日の笑顔、声、しぐさが脳裏を横切る。幼少の頃から自分の兄弟姉妹の中でも一番のチビで年齢の低かったこの自分は可愛がってもらっていた。幼少期で自我が確立していなかった時期でも鮮やかに記憶は甦る。その時期イトコは既に自分の自家用車を乗り回しそのステータスを謳歌する青年だったが自分はまだ小学生でクルマのエンジンがどれなのか、判断もつかない。自分の父親もアポロ11号月面着陸実況生中継を朝方か夜中か見ていたような記憶はある。自分はトイレで用を足す為、起きて目をこすりながらすぐ寝床に付いただけでその後の世界情勢など知る事もない。後々、ベトナム戦争も激化し、世界の二極化も進む。一体この争い事の根本原因はどこからくるのか?『愚かな地球人』と表現すれば手っ取り早いが、それだけでは済まない筈。現在見えない敵と戦う我々人類は第4回目のワクチン接種の声が聞えて来た。ストレスと経済的損失と経済的低迷は我々生命体に何をもたらすのか?不安材料は増え続けている。(太郎)